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ニューヨークの野蛮人

飛行機事故で夭折したという作家ノエル・クラッド。 John Running Tree, “full-blooded Indian”ショショニ族出身の殺し屋が主人公というこの作品、職場近くの古書店のカバー裏の紹介文をみてむむむと思ったのだが、1000円もする古書店よりもっと安いヤフオ
クで調達。
時あたかもクリスマス。寒風の吹きすさぶニューヨークの街中をひとり歩く殺し屋一ぴき!

長編:
・ノエル・クラッド「ニューヨークの野蛮人 The Savage」(1958)
時はクリスマスシーズン。ワシントンスクエアには巨大なクリスマスツリーが飾られ、街角では救世軍のバンドが賛美歌を演奏している。ジョン・ランニング・トリーは生粋のショショニ族の殺し屋。これまで14人を片付けてきたが、今回の依頼人にはどこか変質者の匂いがする。おまけに標的は貧しい子連れの未亡人。1万ドルで請け負った殺しを断ったトリーは、代わりに差し向けられた殺し屋から母子を守ろうと腹を決めた……

「野蛮人」ってこの殺し屋トリーのことかと思って最初は読んでいたのだけど、彼だけじゃなく、大都会に棲息するごろつきからサディストの依頼人、チェロキー族のストリッパー、トリーの恩人でシンジケートの幹部である博識なフランクもひっくるめて、弱肉強食のぎりぎりのところであがいているみんなのことだったんだ。

ノエル・クラッド作品ではもう一編「ダイヤモンドの味 A Taste for Brilliants 」が訳されている。これも読まなくっちゃ。

by drift_glass | 2007-01-04 22:30 | 読む  

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