人気ブログランキング | 話題のタグを見る

思い出せスイッチ

忘れっぽい(物覚えがわるい)のだが、人からお奨めされたおいしいものや本や音楽をだいぶ後になって入手することがある。普段は忘れていても、店頭で見かけると「思い出せスイッチ」が入るのだな。ポール・ギャリコ『猫語の教科書』もそんな一冊。 hさんからメールでお奨めいただいたものだ。通っていた小学校でギャリコ原作の『トマシーナの三つの命』を観たのが多分最初のスクリーン体験なので(その次は子ども会で連れて行かれて市民会館で観た『ミクロの決死圏』)、ブックオフに行くたび『猫語の教科書』は探していたのだ。先日やっと見つかり喜びの報告も済ませたところ。

文庫版『猫語の教科書』巻末に、大島弓子さんの見開き2ページのエッセイマンガが掲載。愛猫のサバを亡くして、サバの写真もつらくて見られなかった大島さんが、『猫語の教科書(単行本の頃)』表紙のツィツァとサバを重ね合わせ、だんだん元気が出て、サバの死も漫画で描けるようになったのだという。第12章「じょうずな話し方」に「声を出さないニャーオ」の劇的な効果について書かれている。うちの猫はやってくれないのだが、『グーグーだって猫である(1)』によると、大島家の「ビー」は声のないニャオを頻繁にやるらしいのだ。ああ見てみたい見てみたい。うちの猫は「声を出さないガブ」はしょっちゅうなんだよ。いたたたた。 大島さんのあとがきマンガは、保坂和志『猫に時間の流れる』でも読めるらしい。これでまた、探求本が一冊増えた。

by drift_glass | 2006-09-20 22:30 | 日常  

<< 本の墓場 歯と爪 >>