お父さんのバックドロップ

・『お父さんのバックドロップ』
原作:中島らも
プロレスラーのお父さん(宇梶剛士)の名前が下田牛之助(もちろん金髪の上田馬之助を連想させる)だったり、電信柱に貼られたボクシングジムのチラシに「会長 丹下段平」と書かれていたり、焼肉屋のママ(南果歩)が流しでざぶざぶ洗っているのがいわゆる「ホルモン」だったり、ちょい役で原作者の故・中島らもが出演したり。「社長」と「哲夫」が「正月と同じくらいめでたくて、赤飯も食べられるらしい」女子の特権を訳知り顔で「一雄」に教え、そのうち3人で「ええなあ、ゲッケー」と声を揃えて羨ましがるところが、いかにもコドモらしくておかしい。

チャンバラトリオのリーダー扮するすっとぼけた爺ちゃんが孫に喧嘩の極意を伝授する場面もいい味出しているが、死んだお母さんの映っているビデオの上からお父さんの試合ダビングしちゃいかんよ……あの時は(まだ)一雄のたったひとつの拠りどころだったんだから。あれ、と気がついたが、物語の設定は1980年。この当時ビデオデッキはまだ一般家庭に普及していなかったのでは?

お父さんは見事にバックドロップをきめたものの、教室でのいじめについては宙ぶらりんのままだが、いじめも差別も撥ねかえす強さをこの子たちの姿に見ることができたから「それもまた良しや(田辺聖子の、ジョゼの台詞だ)」。「哲夫」の逞しさが頼もしいな。
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by drift_glass | 2005-04-30 08:14 | 観る  

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