カテゴリ:観る( 55 )

 

高貴なる殺人

ジョン・ル・カレの映画、といっても『ナイロビの蜂』でなく『寒い国から帰ってきたスパイ』でなく『リトル・ドラマー・ガール』でもない。 ル・カレ1962年発表、唯一の本格ミステリの映画化で脚本もル・カレ自身による『高貴なる殺人(1991)』の中古VHSを600円で見つけた。

監督は『ドリームチャイルド』のギャビン・ミラーだから期待度高し。
ヴェルヴェット・ゴールドマインよりもあの「雨合羽姿の殺人鬼」アメリカン・サイコくんが私の中では記憶に新しい(その後もっとえげつない役で出ているようだが、観てない)クリスチャン・ベール目当て……、もとい、コメディ『Noises Off』でヘベレケ老優を好演したデンホルム・エリオット目当て。『Noises Off』には亡きクリストファー・リーヴもアホアホ俳優役で出演しているんだな。
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by drift_glass | 2006-09-26 22:30 | 観る  

或る殺人

f0134076_2315356.jpgロバート・トレイヴァー『裁判 ある殺人事件の解剖(上下)』(創元推理文庫)
1958年刊行後、38週連続全米ベストセラー1位。 作者は当時現職のミシガン州最高裁判事。妻を陵辱された夫が加害者を射殺した事件をめぐり、検察側と弁護側の一大攻防戦という内容。この作品を映画化した、オットー・プレミンジャー監督『或る殺人(1959モノクロ)』をWOWOWで観る。

オープニングがソウル・バス!主演がジェームズ・スチュワート!……これ『めまい』だったっけ?と首を傾げつつ観始め2時間40分、デューク・エリントンの生演奏風景もちらっと拝め、都会の切れもの検事役のジョージ・C・スコットと仔犬の好演も印象的。ただ、原作では丁寧に描かれている被告のキャラクターが映画ではバッサリ省略され、単なる依頼人程度の扱いだったのが残念だ。
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by drift_glass | 2006-06-24 21:30 | 観る  

あきれたあきれた大作戦

・アーサー・ヒラー監督『あきれたあきれた大作戦』(1979年米)

アラン・アーキン宅でピーター・フォークがジェスチャーまじりに披露する、「南米で天然記念物に指定されたワシほどもある巨大ハエ」のヨタ話が最高。
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by drift_glass | 2006-05-04 22:30 | 観る  

ふくろうの河

・ロベール・アンリコ監督『ふくろうの河』(1962年仏)/ DVD (DXDS-0027)
モノクロ 93分
1963年アカデミー賞短編実写賞受賞
1962年カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)受賞
1. ものまね鳥
2. チカモーガ
3. アウル・クリーク橋の一事件

昔、『世にも怪奇な物語』という怖いオムニバス映画を観た。
『ふくろうの河』もアンブローズ・ビアス自身の南北戦争体験に基づいた短編から成る三部作で、双子もの、子供もの、脱出ものが好きなら一粒で三度おいしい。『悪魔の辞典』以外ビアスの作品は未読で、原作がわかれば作品集で読める……と調べるも、表題作"An Occurrence at Owl Creek Bridge"以外わからず。 Googleでそれらしきタイトルを打ち込み、原文の掲載サイトで"One of Twins""A Baby Tramp"など拾い読みして内容とつきあわせるも、はずれ。

やっと"The Mocking-Bird (ものまね鳥)""Chickamauga(チカモーガ…南北戦争の激戦地)"だと確認できた。わたしも物好きな。

耳栓をするか音を消して観ると、道化のようなあるいは幽霊のような、また次々と川に倒れこむレミングの群れのような兵士たちの間を嬉々として走り抜ける少年の気分を味わえるかもしれない。このエピソードでは、始まりと終わりの黒人霊歌がとても印象的だった。

表題作「ふくろうの河」は25分にも満たない短編ながら、一度観たら忘れられない。
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by drift_glass | 2006-04-29 21:30 | 観る  

NANA  メゾン・ド・ヒミコ

借りてきたDVD『NANA』と『メゾン・ド・ヒミコ』を観る。

『NANA』はなかば押しつけられたようなもので観る前から腰がひけ、エレベーターのない7階の物件とか、床にばらまいたステーキ鉄板の敷き皿をアルバイトが拾い集め洗いもせずに食器棚に戻すファミレスのひとコマとか、内容と関係のないところで許容範囲を超えていた。
それはそれ、これはこれ。宮崎あおいだけ図抜けて上手かった。

『メゾン・ド・ヒミコ』はゲイのための老人ホームの話。ホームの設立者ヒミコに田中泯。末期癌でほとんど寝たきりという設定なので出番は少ないが、皆で食卓を囲む場面でただ座っているだけでも圧倒的な存在感がある。ヒミコの若い恋人役オダギリジョーはLIFEカードのコミカルな姿からは想像もつかず、伸びすぎたイタドリのような柴咲コウより色気があった。
しみじみとしたいい場面もたくさんあるが、声が小さかったりはっきり喋らなかったりしてセリフが聴き取りにくく、もどかしく感じた。
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by drift_glass | 2006-04-02 22:30 | 観る  

シベールの日曜日

『シベールの日曜日』を観る。すでに廃盤となった国内版よりも安い英語字幕の輸入ビデオだが、寡黙な青年と12歳の少女の会話が中心で難しい単語はほとんど出てこない。保存用にDVDも作ったため結局2回観てしまったが、贅沢な時間を過ごせた。子供の頃休日の昼間に教育テレビで放映されたのを観て以来、何十年ぶりかの再見。美しい作品なのに未DVD化なのが残念だ。
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by drift_glass | 2006-03-31 21:30 | 観る  

シークレット・ウィンドウ モンスター ミスティック・リバー

先週録画したスティーヴン・キング原作(未読)『シークレッド・ウィンドウ』(2004)を観る。大魔王は壁に書かれたメッセージがお好き。ジョニー・デップは真顔でも時々妙にとぼけて見え、出演作の幅が広い得な俳優だと思う。シューター役のジョン・タートゥロは期待を裏切らなかった!

夜WOWOWで『モンスター』『ミスティック・リバー』を続けて観る。主演男優賞、女優賞、助演男優賞を取るだけあって演技は非常に達者だが、どちらもわたしの苦手な、やりきれない虐待トラウマ社会派ドラマ。イーストウッド監督作品は隙がなさすぎて。その後で放映の『天国から来たチャンピオン』のほうが楽しみだ。
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by drift_glass | 2006-03-03 22:24 | 観る  

King Rat

・Bryan Forbes監督『キング・ラット』(1965年米) DVD (TSDD-17892)

モノクロ映像にジョン・バリーのやるせない、チリチリしたテーマ。第二次世界大戦中の日本軍によるシンガポールのチャンギー捕虜収容所が舞台で、飢餓と病気、絶望から精神的・肉体的に脱落していく(「チャンギー・ブルー」……死にたくない理由がなくなる)捕虜も多い中、たくましく生き抜く者もいる。不正をはたらく者、要領よくたちまわる者への憎悪を支えにしてなんとか精神的に持ちこたえている憲兵隊長がトム・コートネイ、一人になると「神様、妻に自分が無事生きていることをお伝え下さい」とぎりぎりのところまで追いつめられている。

f0134076_11361687.jpg収容所の影の帝王「キング」伍長役にはスティーヴ・マックイーンやポール・ニューマンへもオファーがあったが断られ、このジョージ・シーガルに決まったそうだ。貸切にした独房で仲間たちと一緒に肉を食べる場面でのふてぶてしい表情がナイス。シーガル以外はアドリヴだったそうだが、デンホルム・エリオット以下のリアクションはさすがイギリス人。

戦争終結がもたらした平和と食糧、しかし同時に戻ってきた容赦のない現実。伍長の階級相当にトラックの荷台に乗せられて収容所を後にするキングの姿は「王の帰還」に程遠いが、それでもその極限状態でネズミのように、たとえ憎悪にせよ彼が与えたものにすがって生き延びた者たちの王には違いなかったと思う。

キング同様現実的なイギリス人捕虜マーロウ役のジェームズ・フォックスが、角度により『船上のメリークリスマス』のデヴィッド・ボウイによく似ていた。
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by drift_glass | 2006-02-11 10:58 | 観る  

アメリカ上陸作戦

・ノーマン・ジュイソン監督『アメリカ上陸作戦(1966)』

f0134076_715569.jpg"The Russians Are Coming! The Russians Are Coming!"

手違いでアメリカ領の島に座礁したソ連の潜水艦。てっきりソ連軍侵攻と早とちりした島民がパニックに陥り、大統領直通ホットラインまで使ったものだから……。
アラン・アーキン扮するソビエト潜水艦乗組員がNATOを「ニャトー」と言って部下に訂正される場面など、ロシア語を知らなくてもおかしいからわかる人にはなおおもしろいのではないか。

ところでCaptain Sensibleに"The Russians Are Coming"というシングルがあるのだが、この映画と関わりがあるかどうかは知らない。
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by drift_glass | 2006-01-07 21:12 | 観る  

Suspiria

サスペリア(Suspiria) / ダリオ・アルジェント監督 / 1977年伊 / 99min.

劇場公開以来だから久しぶり!ヒロインがバレエ学校に入学してから次々に起こる事件などは断片的に覚えていたが、Goblinsの音楽も正直なところ忘れていたから、初見と同じだ。

当時見逃していた意外な演出にも目が釘づけになった。外は嵐。空港玄関の自動ドアを通り抜ける瞬間、首から垂らしていた薄手のスカーフが向かい風にあおられ彼女の上半身に突然つかみかかる両腕のように見えるのだ。ああ怖い。

期待したウド・キアの出番はこんなに少なかったっけ?とがっかりだが、もともと彼の出演は予定外だったそうで、台詞はないけれどと言われてスタジオ入りしたら結構あったね、と。「普通の人」のウド・キアーを最初に見た映画、というのも、『O嬢』のルネは恋人を調教して貢ぎ物に…と全然普通の人じゃないですもん。ヒロインがバレエ学校で親しくなるサラ(ステファニア・カッシーニ)とスクリーン上でのツーショットはないが、彼が主演したポール・モリセイ監督『処女の生血』以来二度目の共演だそうだ。ドラキュラ伯爵が標的にした美女三姉妹の姉のどちらかだな。

公開当時怖いこの作品で一番印象に残ったのはアリダ・ヴァリだった。笑うと一層……。
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by drift_glass | 2005-08-07 21:51 | 観る