カテゴリ:観る( 55 )

 

追撃者

スタローン版リメイク『追撃者 (Get Carter)』をマイケル・ケイン見たさに、しかも日本語吹替え版で観てしまう。車で颯爽と立ち去るこんなジャック・カーターは嫌だ!

でも涙と洟とよだれまみれで命乞いをするAlan Cummingだけは見た甲斐があったな。
[PR]

by drift_glass | 2005-07-21 22:46 | 観る  

お父さんのバックドロップ

・『お父さんのバックドロップ』
原作:中島らも
プロレスラーのお父さん(宇梶剛士)の名前が下田牛之助(もちろん金髪の上田馬之助を連想させる)だったり、電信柱に貼られたボクシングジムのチラシに「会長 丹下段平」と書かれていたり、焼肉屋のママ(南果歩)が流しでざぶざぶ洗っているのがいわゆる「ホルモン」だったり、ちょい役で原作者の故・中島らもが出演したり。「社長」と「哲夫」が「正月と同じくらいめでたくて、赤飯も食べられるらしい」女子の特権を訳知り顔で「一雄」に教え、そのうち3人で「ええなあ、ゲッケー」と声を揃えて羨ましがるところが、いかにもコドモらしくておかしい。

チャンバラトリオのリーダー扮するすっとぼけた爺ちゃんが孫に喧嘩の極意を伝授する場面もいい味出しているが、死んだお母さんの映っているビデオの上からお父さんの試合ダビングしちゃいかんよ……あの時は(まだ)一雄のたったひとつの拠りどころだったんだから。あれ、と気がついたが、物語の設定は1980年。この当時ビデオデッキはまだ一般家庭に普及していなかったのでは?

お父さんは見事にバックドロップをきめたものの、教室でのいじめについては宙ぶらりんのままだが、いじめも差別も撥ねかえす強さをこの子たちの姿に見ることができたから「それもまた良しや(田辺聖子の、ジョゼの台詞だ)」。「哲夫」の逞しさが頼もしいな。
[PR]

by drift_glass | 2005-04-30 08:14 | 観る  

フロム・ザ・ダークサイド ザ・ムービー 3つの闇の物語

・VHS『フロム・ザ・ダークサイド ザ・ムービー 3つの闇の物語』

f0134076_20463420.jpg冒頭からデボラ・ハリーの奥さま登場、屋敷に閉じ込めた少年を料理するためオーヴンに火をかける。お腹を切って内蔵を取り出し、詰め物をするのよ……という彼女の気をそらすため、少年は「おもしろい本を読んであげる」と必死の抗戦。読み始めた物語、第1話はコナン・ドイル『競売ナンバー249』、ミイラの腹の詰め物の中から出てきた巻物は……。ジュリアン・ムーア、クリスチャン・スレーター、それに、歯並びですぐわかったスティーヴ・ブシェミ!

第2話「黒猫」の原作はスティーヴン・キング「魔性の猫」。
原作では黒猫でなく、顔の片面が黒、片面が白というもの、さすがにこういう猫を見つけるのは難しいだろうから黒猫にしたのかな。物語としてはあえて老人の最期まで書かない原作のほうが不気味な余韻を漂わせていい。

映像版の猫はモンティパイソン「聖杯」の殺人ウサギ顔負けの大活躍、それもそのはず。脚本が『ゾンビ』のジョージ・A・ロメロ……
[PR]

by drift_glass | 2005-01-19 20:07 | 観る  

Apartment Zero

・『アパートメント・ゼロ』
深夜からレーザーディスクで観始め、筋も台詞も覚えているので眠くなったら止めよう、と軽く考えていたが結局最後まで観てしまった。エイドリアンがアパートの階段から転落したところで一旦ディスクを交換しなくてはいけないのが手間。

英国贔屓の人をAnglophileというそうで、きつく巻いたこうもり傘を天気にかかわらず持ち歩くエイドリアンも部屋を借りたいという男の勤め先を聞くと「ハロッズ(ここがポイント高そう)の裏だ、ここから歩いて行ける」。 17年住んでいたイギリスからブエノスアイレスに戻っても友達もなく(自分から作る性格でもない)支配人をしている名画座と自宅を往復するだけの毎日と思われるが、「ハロッズ」にはイギリスを懐かしんでたまに行っているのかもしれない、という深読みもできる。そもそも男の第一印象=ジェームズ・ディーンだから悪かろう筈もないし。

エイドリアンと男が映画に関するクイズを出し合う場面が何度もあり「ジョン・ヴォイト」「アート・ガーファンクル」「アンソニー・パーキンス」でエイドリアンが『キャッチ=22』と即答。
「失敗作だがガーファンクルは他の出演作より良かった」
[PR]

by drift_glass | 2004-09-24 21:57 | 観る  

息子のまなざし

・息子のまなざし / ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督 (2002) / 103min.

原題 "Le Fils" 仏・ベルギー合作
”果たして人間はもっとも憎い人間を受け容れることができるのか”

撮影が終わる夕方ごろになると俳優も疲れてきて、計算した演技ができなくなる。ダルデンヌ兄弟によるとその時のテイクが一番いいんだそうだ。「オリヴィエに自分のしていることがわからなくても、観客がわかっているのだからわざとらしい演技は必要ない」と同名の主人公オリヴィエを演じたオリヴィエ・グルメが説明する。

彼は息子を殺した少年に復讐する機会を狙っているようにも、また赦そうと精一杯努力しているようにも見えるが、常に腰を締めつけている幅広の革ベルトで感情まで抑えこんでいるかのように殆ど表情には出さない。自分が殺してしまった子どもの父親がオリヴィエとは知らない少年に「後見人になってほしい」と頼まれた時、彼は少年のコップと並んだコーヒーカップをすっと自分の方に引き寄せる。ありふれた動作で生じる距離感が見た目よりはるかに大きい。

製材所。積み重ねた材木と材木の間に挟まれた木片を「木を乾燥させるためだ。生乾きのままでは」とオリヴィエが説明しかけ「木がそってしまう」と自分の罪を恥じ不眠症に苦しんでいる少年が受ける。 2枚の板は癒えない傷口を抱えたこのふたりの関係に似ている。
「音による効果を与えたくなかった」という監督の意向で音楽も一切ないが、撮影に13週間もかけ、少年役が演技経験ゼロ、と知って驚いた。
[PR]

by drift_glass | 2004-09-03 21:55 | 観る