<   2006年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

 

ロウソク

・楳図かずお「ロウソク」
処刑を翌朝に控えた無実の男が独房の片隅に置かれた1本のロウソクに気づき、それを灯してみる……
真犯人は捕まった。優しい妻とともに子供の成長を見届けた男は、燃え尽きたロウソクの前で幸せそうなほほえみを浮かべ老人の姿でこときれていた。
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by drift_glass | 2006-04-29 21:30 | 読む  

ふくろうの河

・ロベール・アンリコ監督『ふくろうの河』(1962年仏)/ DVD (DXDS-0027)
モノクロ 93分
1963年アカデミー賞短編実写賞受賞
1962年カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)受賞
1. ものまね鳥
2. チカモーガ
3. アウル・クリーク橋の一事件

昔、『世にも怪奇な物語』という怖いオムニバス映画を観た。
『ふくろうの河』もアンブローズ・ビアス自身の南北戦争体験に基づいた短編から成る三部作で、双子もの、子供もの、脱出ものが好きなら一粒で三度おいしい。『悪魔の辞典』以外ビアスの作品は未読で、原作がわかれば作品集で読める……と調べるも、表題作"An Occurrence at Owl Creek Bridge"以外わからず。 Googleでそれらしきタイトルを打ち込み、原文の掲載サイトで"One of Twins""A Baby Tramp"など拾い読みして内容とつきあわせるも、はずれ。

やっと"The Mocking-Bird (ものまね鳥)""Chickamauga(チカモーガ…南北戦争の激戦地)"だと確認できた。わたしも物好きな。

耳栓をするか音を消して観ると、道化のようなあるいは幽霊のような、また次々と川に倒れこむレミングの群れのような兵士たちの間を嬉々として走り抜ける少年の気分を味わえるかもしれない。このエピソードでは、始まりと終わりの黒人霊歌がとても印象的だった。

表題作「ふくろうの河」は25分にも満たない短編ながら、一度観たら忘れられない。
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by drift_glass | 2006-04-29 21:30 | 観る  

新釈現代文

ジョイス・ポーター『案外まともな犯罪』読了。
いい陽気なので、職場からひと駅歩いて古書店をまわる。

・野坂昭如/米倉斉加年『マッチ売りの少女』(大和書房)
・高田瑞穂『新釈現代文』(新塔社)
・ミステリマガジン6冊

『新釈現代文』は何年探したことかなぁ。
ちょっと前に立ち寄った時はワゴンになかった、と断言してもいい。店の人の気が変わらないうちに、と内心ひやひやしながらレジに差し出す。人の探求本が高いと代理購入がありがた迷惑になりかねず買うにも躊躇するが、100円なら気兼ねなく受け取ってもらえるだろう。 ……と思ったら安すぎて遠慮されてしまった。
「転売して儲ける気も、ブックオフに売ってせどりを喜ばせる気もないので、自分で読むことにする」と書き送ったら、それで不要になったらでいいとのこと。了解。
例えば、肉でも野菜でも、鉛筆でも紙でも、何でも切ることの出来る丈夫なよく切れる一丁のナイフ-そういう本にしたいと思います。(読者へのことば - 「たった一つのこと」)

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by drift_glass | 2006-04-28 21:30 | 見つける  

週末のTV&映画

週末に実家で観たNHKの番組(これに落語とラジオ深夜便が加わる)
・ETVワイドともに生きる「働き盛りのがん」(再放送)
・プロ野球 阪神-巨人
・マチベン「死刑囚を救えますか?」
・ヒューマン 西原理恵子
・趣味の園芸 サクラソウ、エアープランツ
・新日曜美術館「絵巻・視覚の迷宮」夏目房之介……京都国立美術館で6/4まで開催の大絵巻展の目玉を紹介。 鳥獣戯画、源氏物語絵巻、信貴山縁起飛倉巻、一遍聖絵 「異時同図法」

・鳥獣戯画の蛙とウサギの相撲場面は5/18からの公開だから、今行っても見られないんだな。
・世界遺産 唐招提寺
・藤田嗣治

DVD(借りているのもいただきものも買ったのも)がどっさりあるのに、録画した実写版「ちびまる子ちゃん」も観なくてはならず、なかなか。そういいながらもアラン・アーキン繋がりの2本『愛すれど心さびしく』『暗くなるまで待って』は2回ずつ観てしまった。
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by drift_glass | 2006-04-25 20:33 | 日常  

ヒルダよ眠れ

・アンドリュウ・ガーヴ『ヒルダよ眠れ(No Tears for Hilda)(ハヤカワミステリ文庫)

ミステリ史上まれにみる特異なキャラクター、ヒルダ。冒頭2ページ目には死体で登場するのだ。メソジスト派の厳格な家に育ったという設定だが、あのドーヴァー主任警部もトム・ロビンソンもメソジスト派。
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by drift_glass | 2006-04-16 20:30 | 読む  

いわゆる「名作」

書評に「名作」と書かれているだけでへへーとひれ伏してしまうのが教養のない悲しさ。

シャーリイ・ジャクスンの短編に、苦労して財をなした初老の客が古書店で「よい本」を買い求める話があったっけ。それも、常連の大学生が親切に選んでくれた本でなく、その彼が欲しがっていたほうの本を、という彼女ならではの毒のある話。
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by drift_glass | 2006-04-08 21:30 | 日常  

心は孤独な狩人

・カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』(新潮文庫)

今朝から通勤のお供にしているが、冒頭から引き込まれてしまい車内の喧騒は一切耳に入ってこなかった。再読を繰り返した『長距離走者の孤独』でなじんでいる河野一郎氏の訳(カポーティ作品でもおなじみ)。主人公はJohn Singer、"singer"という名の聾唖の青年。
あの人は、耳で聞えないどんな音楽を心で聞いているのだろう。それはだれにもわからなかった。もし口がきけたなら、あの人はどんなことを話すだろう。それもだれにもわからなかった。(p67)
"The Heart Is A lonely Hunter" アラン・アーキン主演で映画化。
邦題は「愛すれど心さびしく」
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by drift_glass | 2006-04-05 22:30 | 読む  

NANA  メゾン・ド・ヒミコ

借りてきたDVD『NANA』と『メゾン・ド・ヒミコ』を観る。

『NANA』はなかば押しつけられたようなもので観る前から腰がひけ、エレベーターのない7階の物件とか、床にばらまいたステーキ鉄板の敷き皿をアルバイトが拾い集め洗いもせずに食器棚に戻すファミレスのひとコマとか、内容と関係のないところで許容範囲を超えていた。
それはそれ、これはこれ。宮崎あおいだけ図抜けて上手かった。

『メゾン・ド・ヒミコ』はゲイのための老人ホームの話。ホームの設立者ヒミコに田中泯。末期癌でほとんど寝たきりという設定なので出番は少ないが、皆で食卓を囲む場面でただ座っているだけでも圧倒的な存在感がある。ヒミコの若い恋人役オダギリジョーはLIFEカードのコミカルな姿からは想像もつかず、伸びすぎたイタドリのような柴咲コウより色気があった。
しみじみとしたいい場面もたくさんあるが、声が小さかったりはっきり喋らなかったりしてセリフが聴き取りにくく、もどかしく感じた。
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by drift_glass | 2006-04-02 22:30 | 観る