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Manfred Mann's Earth Band 「Budapest Live」

f0134076_11331562.jpgManfred Mann's Earth Band
Budapest Live
(BLONZE/センチュリー CECC-00128)

1. Spirits in the Night (B.Springsteen)
2. Demolition Man (Sting)
3. For You (Springsteen)
4. Davy's on the Road Again (J.Simon & R.Robertson)
5. Lies (through the 80's) (D.Newman)
6. Blinded by the Light (Springsteen)
7. Redemption Song (B.Marley)
8. Mighty Quinn (B.Dylan)

- Matt Irving / bass
- John Lingwood / drums
- Manfred Mann / keyboards
- Chris Thompson / vocals, guitar
- Steve Waller / vocals, guitar

between Feb. 8th and Apr. 14th, 1983

「光に目も眩み(Blinded by the Light)」が全米一位に輝いた頃、部活から帰ると真っ先にFMの洋楽番組をつけ、今日も聴けるかなとわくわくしていた。そのうちシングルも買って聴いたっけ。高校生にとって月に1枚か2枚のシングルは大変な贅沢だった。そのぶん真剣に吟味して買っていたから、自分の中で今でも色褪せないのかもしれないな。

ブダペストでのライヴは、ボーナストラックつきかリマスターされた紙ジャケで買い直して現行版を処分するつもりだったのだが、考えを改めた。中古屋でこの盤を見つけた時の、「懐かしい友と再会した喜び」を忘れずにいたいし、これだけで十分幸せな気分に浸れたからだ。なにより今の自分にすでに持っているアルバムの買い換えは、よほどのものでなければ贅沢だ。いま中古屋に置かれても、このヴァージョンはもう見向きもされないかもしれない。それなら私が聴こう。

1983年ブダペストのライヴ映像をYouTubeで発見。戻るなぁ。
Manfred Mann's Earth Band - Blinded by the light (Live)

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by drift_glass | 2008-07-25 10:52 | 聴く  

エドガー・パングボーン「良き隣人」

Good Neighbors (伊藤典夫訳)

『宇宙人SF傑作選 天使の卵』表題作の作者、パングボーンのショートショートをOさんに勧めていただいた。
手持ちのアンソロジーに収録されていたので早速読んでみたところ、奇妙な味のファーストコンタクトもの好きな自分の好みにぴったり。
翼の端から端まで六キロの巨大な生きものの正体は?
あっ、いけません。
タイムズスクエア上空でそんな大きな怪物を撃ち落しちゃ……!
翌日、過失を認めた宇宙船から詫び状と賠償金がパラシュートで投下された。
地球の言語と被災地で通用するドル札で、という彼ら精一杯の誠意が感動的だ。
そして現在、“5ドル”の文字が逆さまの賠償金が一般に公開されている、という。

最初のスケールの大きさと結末の脱力感との落差に大笑い。
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by drift_glass | 2008-07-24 14:02 | 読む  

Miku Sings Yutaka

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Miku Sings Yutaka

1. いくつの川を越えれば
2. Start again
3. 支える女
4. Let me sing !
5. 人形つかい
6. 普通じゃないよ
7. Bye bye bye
8. Blue for you
9. ユメタビウタ

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Miku Hatsune : Voices
Yutaka Masuda: Composer, player, arranger and engineer
recorded at Studio Wholeworld

sleeve design by buchiko

エーハブ船長さんがvocaloid初音ミクとコラボしたアルバム(CD-R)が届いた。歌ものはmp3の時にダウンロードして時々聴いていたのだが、今回きちんとリマスターヴァージョンでミクの声を生かしたラブソング「Blue for You」「Bye bye bye」やダメなカレシを「支える女」(ユニコーンの「ペケペケ」のような愛を感じます)、落ち込んだ心に寄り添う応援歌「ユメタビウタ」などを高音質で聴かせていただいた。ボーナスディスクには完成版とは違った手触りの「人形つかい」デモヴァージョンも収録されている。

9曲の中心に据えられた「人形つかい」、不気味なベースと悲鳴のようなミクのヴォイス、中近東ふうの(蛇使いの縦笛からヴァイオリンのように変化する)音色が絡み合い異様な緊張感をかもし出している。ぞくぞくするほどエキゾチックでエロティック。このタイトルはハインラインの?もともとご自分のバンドに書いた曲で、デモ当時のタイトルは手塚治虫『海のトリトン』に出てくる大海亀「ガノモス」だったそうだ。

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「ユメタビウタ」ではエレキとアコースティックギターが調和し、
新しい音楽が生まれたら 喜びを分かち合おう
このメッセージがとても好き。創る楽しみ、分かち合う喜び。

レコーディングはStudio Wholeworld 、船長さん敬愛のKevin Ayersにちなんだ命名ですね。

*右画像はオリジナルスリーヴ。
buchikoさんがアルバムのイメージからインスパイアされ新たに描きおろしたスリーヴデザインに差し替えました。
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by drift_glass | 2008-07-22 23:12 | 聴く  

“The killer inside me”

ブックオフにて:
・ジム・トンプスン『ポップ1280 (Pop.1280)』(扶桑社)

先月読んだ尾之上浩司訳『鬼警部アイアンサイド』の詳細なあとがきに、マックス・アラン・コリンズがトンプスンの『ポップ1280』(1964)を最高傑作と評したと書かれていたので迷わず購入。 pop.(population)1280とは「(その町の)人口1280人」。
セリ・ノワールはA・D・GもJ・P・マンシェットもおもしろかったし、そういえば『グリフターズ』『ゲッタウェイ』もトンプスンの作品だったなぁと妄想が広がり、とどめは1976年には映画化されていた『内なる殺人者』(1952)についての記載。

なんと原題が「The Killer Inside Me」 。
もちろん直接の関連性はないのだろうが、
題名からの連想で思わず「Man-Erg」の出だしを口ずさんでしまうのは仕方がない。
この本も探してこよっと。
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by drift_glass | 2008-07-21 22:45 | 見つける  

Van der Graaf Generator 初来日公演

f0134076_0124542.jpg2008年6月28日(渋谷O-West)

3人とも黒ずくめ、Peter Hammillの黒のスタンドカラーが銀髪に映えて似合うなぁ。
立ち見。手足を駆使してキーボードとベースペダルを操るHugh Bantonの斜め後ろの壁際でステージを見る。
「Interference Patterns」は家でも何回も聴いているが、"bring it home!"の部分で文字通り干渉してくるGuy Evansの重いドラムズはステージのこの音響で、彼の相貌を見ながらライヴで聴くに限る。
「Black Room」ではひたすら圧倒され続けた。
3人はよくアイコンタクトをとりあっているが、「All That Before」ではギターを構えたPHがつつつと二人の方へにじり寄る。そこで引き締めた口の端がクッと上がり、EvansとBantonに向かって演奏が嬉しくて(楽しくて)仕方がないという表情をした。
ああこの人たちThe Power Trioはこれからもずっと現役だ。

アンコール曲は、ステージ中央に静かに立ったかと思うと"Citadel..." 「Still Life」だ!この歌い出しで涙腺緩みっぱなしの人も多かったんじゃなかろうか。
歌い終え、一瞬の間をおき客席に投げキスを送るPHはやはりお茶目な人だった。

ところでPHはギターのチューニングする時に何気なく弾いているんだろうけど、チャッチャッチャッチャ……そのまま「Modern」のイントロなので「演るのか!」と早とちりしてしてしまったじゃないか。

2008年6月29日(渋谷O-West)

混沌とした「Lemmings」にしょっぱなから度肝を抜かれ、「Nutter Alert」幕開けのすさまじい咆哮に驚き、「La Rossa」のイントロでどよめく人々を感じ、 "One more world lost, one more heaven gained"をリアルで聴き、そして、音楽とか魂とか存在そのものとか、言葉で言い表せないものが人々の姿をしているのを生まれて初めて見た。
「Gog」で仁王立ちになり、一点を凝視して歌うPHの姿。
たかだか100年くらいの人の身体に閉じ込められたエネルギーがこれほどのものとは。
それを見るためなら、この先何度でも彼らの「LIVE」に通おう。
これ以上言葉にならない。

f0134076_23354936.jpg 2008年6月30日(原宿アストロホール)

ライヴの空気感と音響、バンドのアンサンブル、上から横から時に逆光に変化する照明など、レコードやCDやFabchannelの小さな画面では絶対に体験できない。
初日に演奏した「Scorched Earth」を聴きたいと思っていたら、「(In the) Black Room」のテンション保ったまま一気に続けて演ってしまうとはなんというバンドだろう。
3日間聴いておなじみの、新作『Trisector』からの「Lifetime」はこの日本公演で大好きになった曲で、GEのイントロですぐわかるようになったのに歌詞をちゃんと覚えてこなかったのが悔しい。

「Childlike Faith in the Childhood's End」は、アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』にインスパイアされた曲だという。創元版『地球幼年期の終わり』と早川版『幼年期の終り』の2冊を並べ、「どちらの表紙が好きですか」とPHに訊いてみた。ためらいもせず指差したのは早川の表紙だった(画像参照)。よし、そちらで読もう。

メイン・エンジニアEdがFlickrに載せた44枚の日本滞在中の写真の1枚にこう記されている。
Office Ohsawaの大沢さんによせて。
The best promoter I ever worked with.
もう3週間もたつというのに、心の一部がまだ会場に佇んでいるような奇妙な感覚。
感覚そのものは無理としても、少しでも言葉で残しておきたい。YouTubeにあがっている2007年、2008年のトリオ編成でのライヴ映像が先日体験したものに近いのだが、モニターの中で小さくまとまっているのと実際に客席で体験した生の演奏との間には何をもってしても埋められない溝があり、無理をしてでも行ってよかった。
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by drift_glass | 2008-07-20 23:54 | 聴く観る感じる  

Van der Graaf Generator 27th May 1975

Van der Graaf Generator "Poppy-fields of France" 2CD-R

f0134076_17231429.jpg The Undercover Man
Scorched Earth
Man-Erg
Forsaken Gardens
(In the) Black Room
Lemmings
La Rossa
Arrow
A Louse Is Not a Home
Faint-Heart and The Sermon
Gog
The Sleepwalkers

焦土と化したフランドル地方の野に咲いた赤いポピーの花。
主戦場となったヨーロッパ各国では11月11日を第一次世界大戦終結の記念日として祝日とし、イギリスではこの日胸にポピーの造花をつけ亡くなった人たちを追悼する。

この海賊盤は『Poppy-fields of France』というタイトル。1975年5月27日フランスのColmarでの公演で、演奏された「焦土(Scorched Earth)」にちなんだタイトルだろうか。
それはさておきdisc-2、PHが絶好調で野太く「Gog」を吼えたにもかかわらず、続く「Sleepwalkers」がテープの残量不足が原因か尻切れトンボだ。
なんとも不満である。なぜ~!

選曲から(多少荒れているけど)ヴォーカルから演奏からダイナミックでお腹一杯なライヴなのだが、埋もれたままの優れた音源を公式リリースするすべはないものか。
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by drift_glass | 2008-07-19 17:24 | 聴く  

愛知県陶磁資料館「中国古代の建築とくらし」

f0134076_1543556.jpg知人が愛知県陶磁資料館に行かれるというので便乗して現地で待ち合わせ。
リニアモーターカー「リニモ」陶磁資料館南で下車。ホームは無人、降りたのは私一人。改札口も無人(用があれば駅員をインターホンで呼び出すようになっているらしいが、どこに潜んでいるのか)。高架駅だがエスカレーターは作りかけのまま「や~めた」と放置状態でコンクリの土台のまま、乗り口の前には工事用のコーンがふたつ置かれ進入禁止になっている。駅の利用客は階段か脇のエレベーターを使うしかない。

陶磁資料館までの大きく弧を描いた長い道のりを徒歩5分なんて誰が計ったのか、誰にも会わず、半分だけ開いている鉄の門扉に架かった「WELCOME」の看板だけがお出迎え。怖いよ~。昼下がりの洋画劇場によくありますな、何も知らない主人公がたまたま迷い込んだお屋敷で歓待してくれた主が実は……な展開、一抹の不安を覚えるのであった。

ゲートから本館へ続くアプローチがまた長い。森の匂いがする。ゴルフ場のような広大な敷地に点在する建物が本館・西館・南館・陶芸館・古窯館・茶室に復元された古窯。 たかが資料館とあなどっていた。
知人は調査目的だが私のお目当てはこれ:
開館30周年記念企画展「中国古代の建築とくらし」-茂木計一郎コレクション-
平成19年度に愛知県陶磁資料館へ寄贈された、東京藝術大学名誉教授・茂木計一郎氏が収集した建築明器を中心に厨房器具や農機具、家具、食器などのミニチュアを紹介します。
(企画展紹介より)

明器(めいき)とは山口県立萩美術館の平成18年の同様の企画展より引用すると、「死者が生前の生活で必要としたものを死後の世界でも使えるように模造したもので、建物や儀式に使う器、飲食器、人間、動物など、実に多様な器物や生き物が陶製や木製、青銅製などで造られます。」
つまり死者が向こう(地下)でも満ち足りた生活を送れるようにとの目的で作られた副葬品なのだが、そういうくくりはあるとしても作り手の創造の楽しみが伝わるようなものが多かった。これがめちゃめちゃ楽しくて、 池の中に建てられた見張り塔の手すりに猿が腰掛けていたり 池には人よりでかいアヒルやおんぶ蛙、スッポン、魚が泳いでいたり 縮尺も無視されているんだけどとにかくかわいい!
家の中にはちゃんと人がいて、窓辺には子供がいて、 厠には豚(排泄物を飼料として育つ)がいて、 前から横から裏から当時の人々の理想の暮らしがにじみでている。

展示が多すぎて(資料館もあまりに広すぎた)3時間では全然足りなかったのでした。
こりゃもう一度行く必要があるかも。
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by drift_glass | 2008-07-17 23:30 | 観る  

コロー 光と追憶の変奏曲

コロー 光と追憶の変奏曲

ル・コルビュジェ設計による国立西洋美術館で開催中のところ、上京の幸運を得て鑑賞。

家業を継ぐよう強要された跡取り息子で、妹の死を機に親の許しを得て本格的に絵の勉強を始めた時すでに30歳近かったというジャン=バティスト・カミーユ・コロー、彼の好んで描いたヴィル・ダヴレーの森こそ、『シベールの日曜日(Les Dimanches de Ville d'Avray) 』(1962)でピエールとシベールが幸せな時間を紡いでいた、あのしんとした美しい森だ。見飽きない。
リューマチを患い外で描けなくなった晩年の人物画、コローのモナリザとも呼ばれる『真珠の女』、また最晩年の作品『青い服の婦人』もすばらしい。
こんなにすばらしい絵を描けるのに、ライフワークとしたものはあくまで風景画なのだ。

彼が亡くなる前に残した言葉。
私には、これまで見たことのなかったものが見えるのです。
どうやら私は空を描くすべを知らなかったようだ。
私の目の前にある空は、はるかにバラ色で、深く、澄みわたっている。
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東京でコロー展を見たことをご存じの友人より放送のお知らせ。
 『KIRIN ART GALLARY 美の巨人たち』
テレビ愛知
今日の一枚、カミーユ・コロー作
「モルトフォンテーヌの想い出」

前半でコローの経歴と代表作を簡単に紹介し、後半はこの一枚に絞るという構成なので興味がぶれない。数日前に感銘を受けた絵の印象が褪せないうちにまたテレビで見られてよかったよ。なんせ単純なんだものー。
でも、美術館で見た実物がもちろん一番いい。
そして、音楽もライヴが一番いい。
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by drift_glass | 2008-07-15 10:09 | 観る  

白い巨塔(1966)

山本薩夫監督『白い巨塔』(1966)

WOWOWの監督没後25周年企画。
どこまでも傲慢な田宮財前は他(のキャスティング)の追随を許さない。正面きって財前をののしり何度張り倒されても負けない強さと法廷で真剣な面持ちで裁判の行方を見守るケイ子(小川真由美)、目元のわずかな変化で女心がよくわかる。

それから「財前教授の総回診です」これが見たかったのだよ。
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by drift_glass | 2008-07-14 15:30 | 観る  

トマス・M・ディッシュ氏追悼

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先日亡くなられた。

マンハッタンの家賃統制住宅にお住まいだったそうだ。
永年のパートナーを亡くし、健康上と退去への不安も重なり、近年は心穏やかでいられなかっただろうと思うとお気の毒でならない。
銃による自殺だそうだ。

『アジアの岸辺』購入も未読のまま、『334』を読んだのがおととしだった。ながらく絶版状態だった傑作が少しずつ復刊され始めたここ数年、『334』をはじめとしたディッシュ作品も再び多くの人に手軽に入手できるようになるといい、本当に。
もちろん、作家の存命中にかなうのが一番なのだが……。
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by drift_glass | 2008-07-09 20:30 | 日常