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十四人目の乗客

・大下宇陀児「十四人目の乗客」

「男で顔の色が白くて、しかもその顔が大きな顔で、その顔のついている首が細い」容貌の人間を見ると、幼い頃から家族が死んだり家が焼けたり必ずよくないことが起こる。通勤に利用する市電の乗客の数が、神保町や神田橋ではまちまちなのになぜか学士会館前ではいつも13人。この奇妙な現象に気づいてから学士会館前に来ると習慣的に乗客を数えるようになったが、ある日数えてみると14人乗っている! その14人目の乗客とは、自分が忌み嫌うあの容貌の男だった……。
昭和5年作品。

by drift_glass | 2006-12-05 19:16 | 読む  

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